数学から学べること⑬~曖昧な定義から生じる問題②ネイピア数~

 

再びボア・タージ、シンジュンです。(・∀・)

 

 

数学から学べる本質的な思考を、人生の他のところに応用する「数学から学べることシリーズ」第13回

今日のテーマは「定義を明確にすること②」です。

 

 

前回、数学においては度々、

「うーん、気持ち的にはOKなんだけど、でも厳密には言えないよね?」( ˘•ω•˘ )

ということに見舞われることがありますが、

それを「なんとなくOK」で進めていくと、最初は大丈夫ですが、

進むにつれて「超微妙なもの」が出てきた時に困るようになる、という話をしました。

 

 

サイエンスが発達すればするほど、より繊細に、より細密に見なければならないので、

進めば進むほど「正確さ」が求められるようになります。

 

 

今日は再びこれについて見てみます。(*‘ω‘ *)

 

ロープウェイ

例②:ネイピア数と微妙な収束

 

前回簡単な例として、高校数学Ⅲで「limit」(極限)についての話をしました。

一番シンプルな例は以下です。

\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}=0

 

これを和訳すると

「nを無限に大きくしていくと、1/nは限りなく0に近づいていく」

というような意味合いになります。

この時「0に収束する」と表現します。

n=10の時、1/n=0.1

n=100の時、1/n=0.01

n=1000の時、1/n=0.001

・・・と続いていけば「限りなく0に近づく」感じはします。

 

 

実際「まあ、それはそうだよね」(´・ω・`)という感じです。

 

 

しかしここで考えてみると、実は「無限に0に近づく」という表現が<曖昧>です。( ˘•ω•˘ )

「え?そう??」と思われるかもしれませんが、

限りなく近づいているというのが怪しいところです。(‘Д’)

 

 

では今度はこれはどうでしょうか?

 

\lim_{n \to \infty} (1+\frac{1}{n})^n

 

これを見てみると「n \to \infty」の時「\frac{1}{n}\to 0」なので、

中身の部分「(1+\frac{1}{n}) \to 1」は「1」近づいていきます。

でもn乗していて、指数はどんどん大きくなっていくので、なんだか<微妙>な感じです。(‘Д’)

\lim_{n \to \infty} (1+\frac{1}{n})^n

「1」に収束しそうな感じもするし、どうなんだろう??という気がします。(‘Д’)

 

 

実際、この微妙な数列はすごーーく微妙な値に「収束」します。(‘Д’)

この値は高校数学の「指数対数」のところで出てきます。

覚えていらっしゃるかもしれませんが、「ネイピア数」と言い(自然対数の底とも言います)、よく「e」と表記します。

実際の値としては、

e= 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 ...

という、中身も超微妙な値です。(‘Д’)

覚えられません。(‘Д’)

(この値は円周率同様、超越数であることが分かっています)

 

 

なんでこんな超微妙な数なのに自然対数の底」と名前がついているのかというと、

この「e」を底にした対数関数「y=\log_e x=\log x」を考えた時、微分すると綺麗な形になるからです。

\frac{d}{dx} \log x = \frac{1}{x}

底が「e」ではなく、他の値「a」だった場合は、

\frac{d}{dx} \log_a x = \frac{1}{x \log a}

とちょっと変な感じのものがくっついてしまいます。

 

 

なので「対数関数を考える時は、ネイピア数eを底にした方が<自然>だよね」( ˘ω˘ )ということで、

自然対数という言葉を使うようになりました。

 

 

これはまたいつか書ければと思っていますが、実はサイエンスにおいて「自然である」ということは大事な要素になってきます。(‘ω’)

これはサイエンティストならば誰でも持っている<感覚>だと思います。

「自然さ」なんてとても非科学的で感覚的なものですが、しかし科学においてはとても重要なものだというのが不思議だなといつも思います。( ˘ω˘ )

結局それは、あくまで「サイエンスは<自然>を調べている」という点に起因しているのだと感じています。

 

自然

収束をどう定義する?(イプシロン・デルタ論法)

 

このように「限りなく近づく」という曖昧な感じでだけで話していると、

\lim_{n \to \infty} \frac{1}{n}=0

のような簡単な例は大丈夫ですが、

その後もっと微妙な線を攻めないといけなくなり、

\lim_{n \to \infty} (1+\frac{1}{n})^n

のような微妙な数列を扱う時に困ることになります。( ˘•ω•˘ )

 

 

これをもっと数学的に(論理的に)明確に扱おうと言って出てきたのが「\varepsilon-\delta論法」です。

(イプシロン・デルタ論法)

 

 

私は大学1年の微積の授業で最初に出てきたのが「これ」でした。

それが当たり前だと思っていたのですが、後で他大の人の話を聞くと、意外にやらなかったり、触れるだけで終わるところが多いようです。

実際数学をバリバリやるのではなければ、無くても問題ないものではあります。(;^ω^)

 

 

しかし逆に言えば、数学を勉強しようとするなら、この「\varepsilon-\delta論法」を知らないと、正直何もできません。(‘Д’)

(あ、代数学とかは無くてもできるかもしれませんが)

かなり必須の考え方になります。

 

 

\varepsilon-\delta論法」って何かを書くと、なんだか複雑な感じになってしまうので、ここでは割愛します。(;^ω^)

ただこの考え方でやると「収束するかどうか」をもっと<正確に><繊細に>判定することができます。

 

タンポポ

曖昧に考えていくとぶつかる壁

 

このように、物事を曖昧に理解して

「ま、こんなもんでいっしょ」(・∀・)

と軽く進んでいくと、いつか壁にぶつかることになるという話でした。

その例として数列の収束とネイピア数を挙げてみました。

 

 

「限りなく近づく」という曖昧な定義で進めていくと、

よく分からない微妙なもの、

さらにとても大事なものも判定できなくなってしまうという話でした。(´・ω・`)

 

 

こういうことは、私たちの生活の中でも、人生の中でもたくさんあるなと思います。(´・ω・`)

 

 

例えば大きい例を挙げるとすると<幸せの定義>とかもそうなのかなと思います。( ˘ω˘ )

 

 

私は仕事柄いろいろな人に会う機会が多く、若い人、大学生などと話す機会も多いです。

それで「将来は幸せになりたい」という人が多いので、

「じゃあ幸せってどういう状態なの?」と質問をすると、

割と「普通の暮らしができればいい。就職して、お金を適度に稼いで、趣味もあって、家族もいて、安定した暮らしができればいいです」というような回答は最近多いように思います。

 

 

特に変な回答ではありませんし、確かになんだか良さそうに見えます。( ˘ω˘ )

 

 

しかしこれはちょうど「収束の定義」で「限りなく近づく」と言っているような、

すごーーく曖昧な定義だったりします。

 

 

「普通の暮らしとは?」というのが「お金を適度に稼いで、趣味もあって、家族もいればいい」ということだとすると、

では「お金が適度に稼げず、趣味もなく、家族もいない人」というのは<不幸な人>なのでしょうか?(‘;’)

 

 

でも実際ホームレスをしながらも、楽しく生きている人はいるかもしれません。

会ったことがないので、分かりませんが。(;^ω^)

 

 

こういう「微妙な人」「微妙な状態」が現れてきた場合に、判断がよくつかなくなります。(´・ω・`)

そして自分自身も

「あれ?自分は普通の生活しているけど、、、これは幸せなのか??」(‘Д’)

となってくることもあるのではないでしょうか?

そうすると結局根底の「幸せってなんだ?」という定義をもう一度考えてみる必要が生まれます。(´・ω・`)

 

 

曖昧に定義して、

曖昧に考えていると、

最初はいいのですが、

進むについて問題が起こってくることはたくさんあります。(´・ω・`)

 

 

<人生>とは何か?

<幸せ>とは何か?

<人間>とは何か?

実はすごく曖昧に定義して、認識ていることが多い私たちです、( ˘•ω•˘ )

 

 

壁にぶつかってから振り返ってももちろん良いと思いますが、

できれば壁にぶつかる前に、もう一度改めて考えてみたいものです。(・∀・)

 

 

【今日の二言まとめ】

1.曖昧な定義をしていると、いつかは問題にぶつかることになる。

2.「イプシロン・デルタ論法」ってカタカナで書くとなんかかっこ悪い。(; ・`д・´)

海と女性

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  1. merci より:

    イプシロン-デルタ論法が未だに分からない。。。分かりたいのに。。。

    1. シンジュン より:

      いつでも教えますよ☆(*‘ω‘ *)

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