【詩】 太陽を独り占めしようとした王様

王様

 

 

【太陽を独り占めしようとした王様】 

 

 

太陽を独り占めしようとした王様の話を聞いたら

君はきっと笑うだろうね

「そんな変な王様はいないよ」って

 

 

その王様はね

太陽が自分以外の人も照らすのが気にくわなかったんだ

それで太陽に

「お前は私だけを照らしなさい」って言った

でも太陽はそんなことお構いなしに

ずっと全ての人を照らしていた

太陽が言うことを聞かないから

王様は民にこう言ったんだ

「今から私以外に日の光を浴びたものは死刑にする」って

 

 

むちゃくちゃだと思うかい?

そうだね

でも太陽を独り占めするためには

それしか方法はないんじゃないかな

 

 

さあそれからが大変だった

民はみんな家に閉じこもり、部屋から一歩も外に出ない

窓にはカーテンを引いて、昼間から明りを灯す

農作業は日が沈んでからしかできない

日中は家の中でできる仕事をする

ある人は昼間に寝て、夜に仕事をすることにした

民の生活は混乱したけれど、

それでも王様の望みは叶えられたんだ

 

 

民が日の光を浴びなくなってから数日経って

王様は太陽が燦燦と降り注ぐ中

城の屋上に立って言った

「太陽よ、これでお前は私のものだ

今お前の光を浴びているのは、私だけだ」

それでも太陽は黙って、いつもの通りに輝いていた

 

 

その時、王様はふと心配になったんだ

本当にそうなのだろうかって

王様は城の屋上から下々の町を見た

王様の視界に人影はない

王様は思った

本当に今、太陽の光を浴びているのは自分ひとりなのだろうかって

 

 

そう思い出したら、それが頭から離れなかった

もしかしたら、王様の法を守らずに

どこかでのんびり日光浴を楽しんでいる人がいるかもしれない

そう考えると王様はいても立ってもいられなくなった

 

 

家来を町中に配置して監視させようか?

しかしそうすると家来たちが日の光を浴びてしまう

では日傘を持たせて、浴びないようにさせよう

 

 

王様はすぐにそれを実行に移した

国中に家来を配置して、民がちゃんと王様の命令を守っているのかを

監視させた

こうして王様は太陽を独り占めすることができたって訳さ

 

 

それからどうなったかって?

結末が聞きたいかい?

そうか、じゃあ教えてあげるね

 

 

 

ある時王様は隣の国にでかけたのさ

そうしたらその国の人達はみんな普通に日の光の下を歩いている

王様はそれを見て愕然とした

王様は太陽を独り占めしたと思っていたのに

こんなにも大勢の人が、日の光を浴びていたなんてって

 

 

そこで王様は悟るのさ

太陽を独り占めするってことは

地球を独り占めするってことで

それはつまり

不可能だってこと

 

 

そして王様は考え直したそうだよ

太陽が全ての人々を照らしても、自分を照らしてくれない訳じゃない

太陽が全ての人々を照らしても、自分を照らす光が弱まる訳じゃない

全ての人々が一様に

太陽の恩恵を被るのなら

それでいいじゃないかって

 

 

まあつまり、そういう話

 

 

あ、やっぱり笑ったね

そう、誰が聞いても笑うかもしれないね

そんなことくらい、最初から気がつけよって、君は王様に言うかい?

そっか、うん、まあ、いいけど

 

 

でも僕は、

それに気がつくまでに

結構時間、

かかったけどね

 

 

 

 

 

【詩】 太陽を独り占めしようとした王様” に対して1件のコメントがあります。

  1. かど より:

    最後の日付が気になります~

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