【詩】 マッチ

 

 

 

【マッチ】2008/10/17

 

 

真っ暗で

何も見えなかったから

近くの古びた駄菓子屋さんで

マッチを一本買って来て

大事に大事に

火を灯した

 

 

微弱な光が現れて

なんとか僕の指を

照らしていた

 

 

そうしてほっと

ため息をつき

なんとなく涙が溢れてきて

頬をゆっくりと流れた時

その跡が

ゆっくりと温かくなって

あっちの山の向こうから

朝日が昇るのを

僕は見た

 

 

「このマッチは

六億三千七十二万円したんだけどな」

 

なんて呟きながらも

僕は嬉しかったんだ

 

 

ちょっとだけ高かったけど

ちょっとだけ僕を温めてくれた

焦げたマッチ一本を

僕は大事に

ポケットにしまった

 

 

 

あのマッチは

今はもうない

 

 

 

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